宮里大八国際交流基金のバリ島派遣、7日目。
これまでの記事では、バリ島に挑戦しているドリーマーたちの活動を中心に紹介してきました。
今回は少し視点を変えて、彼女たちが挑戦している間、私自身がバリ島で何をしているのかを書いてみたいと思います。
ドリーマーたちの挑戦を見守ること。
現地で活動を支えること。
クラウドファンディングで応援してくださった皆さんへの返礼品を準備すること。
そして、バリ島という場所から沖縄を見つめ直すこと。
表にはあまり出てこない「裏方」の時間も、今回の旅の大切な一部です。
到着後、まずはバリ倶楽部の尾島代表とライブ配信
バリ島到着後、2日目には、今回の海外派遣を現地で支えていただいているバリ倶楽部の尾島代表と一緒に、YouTubeのライブ配信を行いました。
https://www.youtube.com/watch?v=c8UiNlTg1Us&t=1515s
今回の宮里大八国際交流基金の取り組みや、バリ島でドリーマーたちがどのような経験をしていくのかなどについてお話ししました。
この基金は、私一人で続けられてきたものではありません。
沖縄で応援してくださる皆さん、クラウドファンディングで支援してくださった皆さん、そして海外で若者たちを受け入れてくださる皆さん。
多くの方々の協力があって、初めて成り立っています。
3日目、4日目はドリーマーたちの職場体験へ
3日目から4日目は、ドリーマーたちの職場体験に同行しました。
バリ倶楽部の皆さんが実際に観光客を迎える現場で、ゲストの受け入れや準備、安全確認、ツアー終了後のケア、食事のサービスなど、さまざまな仕事を経験しました。
マングローブや海の環境について学び、シュノーケリングではマンタやウミガメにも出会いました。
もちろん、私はずっと手を出すわけではありません。
できるだけ自分たちで考え、自分たちで行動してもらう。
少し離れたところから、その挑戦を見守ることも、送り出す側の役割だと思っています。
5日目からは、支援してくださった皆さんへの返礼品探し
ドリーマーたちがホームステイに入り、現地の家庭で生活を始めた5日目から7日目。
私が時間をかけて取り組んでいることの一つが、クラウドファンディングで支援してくださった皆さんへの返礼品の準備です。
今回のクラウドファンディングでは、バリ島のお菓子や、現地の職人さんが制作する木彫りのネームプレートなどを返礼品として用意しています。
まずは、お菓子。
スーパーやお土産店などを回りながら、バリ島らしい商品を探しています。
チョコレート、ナッツ、ドライフルーツなど、さまざまな商品があります。
価格を見る。
パッケージを見る。
原材料を見る。
持ち帰りやすさを考える。
そして何より、
「支援してくださった皆さんに、何を届けたら喜んでもらえるだろう」
と考えながら、下調べをしています。
ただし、最終的に選ぶのは私ではありません。
帰国前の最終日に、今回バリ島へ挑戦しているドリーマーの2人に選んでもらう予定です。
自分たちの挑戦を支えてくださった皆さんに、何を届けたいのか。
自分たちで考えて、自分たちで選ぶ。
返礼品を選ぶことも、今回の海外派遣の一つの学びになればと思っています。
一つひとつ、手作りされる木彫りのネームプレート
もう一つ準備しているのが、木彫りのネームプレートです。
バリ島の街を歩いていると、本当にたくさんの木彫りに出会います。
動物、神々、花、伝統的な文様。
そして、名前や言葉を彫ったネームプレート。
今回お願いしているネームプレートは、既製品ではありません。
寄付していただいた企業の社名を、一つひとつ制作していただきます。
手作りですから、その場ですぐに持ち帰ることはできません。
完成まで約3日。
女性の職人さんが、注文する社名を一つひとつ確認しながら、丁寧に仕上げてくださいます。
沖縄の若者たちの挑戦を応援していただいた支援がバリ島へ届き、その感謝を、今度はバリ島の職人さんの手仕事によって沖縄へ持ち帰る。
そんな小さな循環も、国際交流なのかもしれません。
バリ島にいても、沖縄の仕事は続きます
もちろん、バリ島にいる間、基金の活動だけをしているわけではありません。
資料を作成したり、ホームページを更新したり、日本・沖縄とのオンラインミーティングに参加したり。
バリ島にパソコンを持ち込み、ホテルやカフェなどで仕事を続けています。
今回の滞在中には、オンラインで沖縄のライオンズクラブの皆さんにも、宮里大八国際交流基金について説明する機会をいただきました。
なぜ基金を始めたのか。
これまでどのような若者たちを海外へ送り出してきたのか。
そして、今回バリ島でどのような挑戦をしているのか。
沖縄から離れているからこそ、改めて基金の意味を考える時間にもなっています。
歩いて、見て、話を聞く。バリ島そのものがフィールドワーク
仕事や返礼品探しの合間には、できるだけ街を歩くようにしています。
海岸を歩く。
スーパーへ行く。
お土産店をのぞく。
現地の食材を見る。
街並みや建物を見る。
そして、できるだけ現地の方々に話を聞く。
今回の滞在は、宮里大八国際交流基金の活動であると同時に、私自身にとっても大切なリサーチの時間になっています。
バリ島と沖縄には、不思議なくらい共通するものがあります。
島であること。
海に囲まれていること。
豊かな自然があること。
独自の文化があること。
祈りが暮らしの中にあること。
地域コミュニティがあること。
そして、観光が地域経済の大きな柱になっていること。
一方で、文化の見せ方や地域産品の商品化、お土産のつくり方、食材の活用、観光客と地域住民との関係など、違うところもたくさんあります。
歩きながら、
「これは沖縄だったらどうだろう」
「沖縄でもできるのではないか」
「逆に、沖縄だからできることは何だろう」
そんなことを考えています。
観光地を巡るだけでは見えないものがあります。
歩いて、見て、食べて、話を聞く。
バリ島そのものが、私にとって大きなフィールドワークの場所になっています。
そして、基金の「原点」と約5年ぶりの再会
今回の滞在では、私にとって、とても大切な再会もありました。
Warung Okinawa(ワルンオキナワ)の代表、秋山さんです。
実は、宮里大八国際交流基金が生まれる最初のきっかけをつくってくれたのが、バリ倶楽部の尾島代表と、秋山さんでした。
基金を始める以前、私は文部科学省の「トビタテ!留学JAPAN」や、沖縄県の海外ジョブチャレンジ事業などを通して、若者たちを海外へ送り出す取り組みに関わっていました。
当時は大学生が中心でした。
その際、バリ島で学生たちを受け入れてくださった方の一人が、秋山さんでした。
海外で生活する。
現地の人たちと出会う。
文化の違いに戸惑う。
そして、実際に働いてみる。
そうした経験を通して、若者たちが変わっていく姿を見てきました。
その経験から、私は考えるようになりました。
「この経験を、大学生になってからではなく、もっと若い中学生や高校生の時に経験できたらどうだろう」
その発想が、後の宮里大八国際交流基金へとつながっていきました。
気がつけば、3時間
秋山さんと直接お会いするのは、約5年ぶり。
久しぶりの再会でしたが、話し始めると時間を忘れてしまいました。
バリ島の現在。
観光。
ビジネス。
現地で働く人たち。
日本とインドネシアの違い。
沖縄との交流。
そして、これから何ができるのか。
気がつけば、約3時間。
さまざまな意見を交わすことができました。
今回、ドリーマーたちがバリ島で新しい世界へ飛び込み、現地の家庭で暮らしながら挑戦しています。
その挑戦を見届けるために訪れたバリ島で、基金が生まれるきっかけとなった方と再び語り合う。
人とのご縁は、その時にはどこへつながっていくのか分からないものです。
でも、何年も経って振り返ってみると、
「あの出会いがあったから、今がある」
と思える瞬間があります。
今回の再会は、まさにそんな時間でした。
ドリーマーが挑戦する。そして、支える側も学び続ける
今回のバリ島派遣の主役は、もちろんドリーマーたちです。
しかし、彼女たちを海外へ送り出し、その挑戦を支える私自身も、学び続けなければならないと思っています。
若者だけに、
「挑戦しよう」
「知らない世界へ飛び込もう」
と言うのではなく、大人も新しい場所へ行き、人と出会い、学び、考え続ける。
それも、この基金を続けていく上で大切なことなのかもしれません。
明日から、私もウブドへ
明日からは、私もウブドへ移動します。
これまでは、ドリーマーたちの職場体験を見守りながら、返礼品を探したり、沖縄の仕事をしたりと、どちらかといえば「支える側」として動いてきました。
明日からは少し視点を変えます。
ドリーマーたちが滞在している地域にも足を運び、バリ島の田舎で暮らす人々の生活や文化を、私自身もできるだけ近い距離で体験してみたいと思っています。
観光地として見るバリ島と、そこで暮らす人々の日常として見るバリ島。
その間には、きっと違う景色があるはずです。
そして、そこから沖縄との共通点や違いを見つけたい。
ドリーマーたちだけではなく、私自身の学びも、まだまだ続きます。