クラウドファンディングにご支援いただいた皆さま、
こんにちは、とりくむゑメンバー/PUR平和センター職員の田畑です。
前回の報告では、エボラや紛争下で活動が制限される中、ルワンダ・プロテスタント大学(PUR)平和センターを通じて、YENAメンバーによる平和構築活動を支援していくことをお伝えしました。(詳細: 現地報告 7月)
その後、皆様からのご支援が無事に現地へ送金され、ついに現地での活動がスタートしました。今回の現地報告では、最新の活動の様子をお伝えします。
・始まった支援備品の調達、意気込む若者たち
これまで、ルワンダ東部の農村で若者のための平和クラブを立ち上げ、奮闘する青年エマニュエル(PUR卒業生) の活動をお伝えしてきました (詳細: YENAメンバーの活動)。
約30人のメンバー(その多くが十代で妊娠した母親や生活に困難を抱える若者たち)で構成される平和クラブは、月に2回、音楽や演劇パフォーマンスを通して平和を訴える活動を続けています。

(平和クラブメンバーの集合写真、新しいスピーカーとともに)
今回皆様からいただいた資金によって、彼らが継続的にコミュニティパフォーマンスを行うためのスピーカー、マイク、演劇用の衣装などの備品を調達することができました。
これらを一緒に調達した際、エマニュエルは何度も日本の皆様の支援に対する感謝の言葉を繰り返していました。「これで、やっと思い描いていた活動ができる」と。
・600人以上が集ったコミュニティパフォーマンス
備品を調達した週末、私はそのまま彼の地元を訪ね、平和クラブのコミュニティ・パフォーマンスを見学しました。
広場に集まった地元住民はなんと600人以上。新しく導入した音響システムは、明らかに住民たちを惹きつけていました。実際に集まった観客の多くは、子どもたちとその両親です。
この日の平和クラブの演劇テーマは「学校中退と家族の責任」。翌週から長期休みが明け、学校が再開されるタイミングを見越したプログラムでした。

(大勢の村人を前に演劇を披露する若者たち)
【演劇のシナリオ】
「家族が教育費を捻出できず、家を追い出された少女は、長期休み明けに学校へ戻れなくなる。そこへ資金力のある大人の男たちが近づき『教育費を支援する代わりに.....』という甘い誘いを提示する。それに乗ってしまった少女は、結果的に妊娠してしまう——」
彼らが実施する「参加型演劇」という手法は、ただ物語を演じるだけではありません。その内容に啓発的な要素をもたせ、劇後は問題の解決方法を聴衆とともに議論するという仕掛けがあります。

(学校の中退と家族の責任をテーマにした演劇)
学校を中退した十代の女性の妊娠、違法薬物、アルコール依存など、この地域内には貧困がもたらす複合的な課題の連鎖があります。
コミュニティからは多くの子どもやその両親が集まっていたため、これらの課題に警鐘を鳴らすという意味で、有意義な啓発の一時となりました。

(パフォーマンスを指揮するYENAメンバーのエマニュエル)
・次のステップへ——「平和」と「開発」を両立するために
週が明けて、パフォーマンスを終えた平和クラブのグループミーティングに参加しました。若者たちの顔には、充実感が漂っていました。
「音響システムも自由に使える今、この演劇を地域の小・中学校を回って披露したい!」
日本の皆さまのおかげで、彼らの活動はここから発展を遂げようとしています。改めまして、皆様のご支援に心より感謝申し上げます。

(ピースクラブと今後のプロジェクトについて話し合う)
一方で、彼らにはいまだ越えるべき大きな壁があります。それは「生計手段(収入源)の確保」です。エマニュエルはこう語ります。
「農村の課題やリスクに対して、平和クラブでの啓発活動は必要。しかし若者たちに収入源がなければ根本的な問題解決にはならない。平和と開発はセットなんだ」
平和クラブメンバーのほとんどが安定した収入源を持っていません。そのため、この問題意識は若者たちが共通して抱えているものなのです。
この課題を打破すべく、私は彼らと議論を重ねながら、いよいよ具体的な収入向上につながるプロジェクトを立案することなりました。彼らが特に強い関心を示したのが「農業」と「養豚ビジネス」です。
農業については、クラウドファンディングの資金でトウモロコシの種子や農業資機材を購入し、メンバーが小さな共同農場を借り上げ、すでに開墾を始めています。

(トウモロコシ畑を耕す平和クラブの若者たち)
また、養豚ビジネスは、グループで共同豚舎を管理し、豚の飼育・販売によって収入源の確保を目指す計画です。豚は繁殖スピードも高い上に、また、ルワンダで人気の豚肉炒め料理 (アカベンジ) を背景に、十分に販路開拓が狙えるアイデアとして期待が高まっています。
今回いただいた資金の一部は、この養豚活動の計画・立案にも活用させていただきます。
今後もクラブとしての平和構築活動を維持しながら、同時に若者たちが少しずつ収入を得られるように、私も現地で彼らの活動に伴走し続けていきます。
引き続き、現地からの活動報告を発信してまいりますので、温かい応援をよろしくお願いいたします。
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記事執筆
とりくむゑ/ PUR平和センター
田畑