本日から数週間、ローカルベンチャーラボ事務局コーディネーターからのメッセージをお届けしていきます。
トップバッターは、ラボの立ち上げメンバーの伊藤いずみ。
東日本大震災後、ETIC.右腕プログラムを通じて地域の人と共に東北に根付く手仕事を活かしたものづくりを行い、被災地に新しい産業を作る「大槌復興刺し子プロジェクト(岩手県大槌町)」に参画。商品開発や現地マネジメントを担っていましたが、単独の事業やコミュニティだけでなく、よりマクロに地域を捉えて、地域や社会全体での仕組みづくりを目指したいと考え、2017年よりETIC.に参画しました。 ETIC.では地域×事業創造や、エコシステムの拡大に向けた共創事業を担っています。
折り返し地点での率直な想い。ローカルベンチャーを取り巻く変化の中で、ラボが問われる変化と向き合う
ローカルベンチャーラボ10周年プロジェクトにご支援・ご関心を寄せてくださっている皆様、本当にありがとうございます。
この10年で、私はラボを通じてたくさんの人に出会い、たくさんの意志ある挑戦に触れてきました。 地域や社会の課題を自分事として引き受けたり、自分のこだわりを形にしたり。どの事業もワクワクする未来があって、 自分の地域や暮らしを自ら創ろう・変えようとする人たちがいることが、地域や社会が変わることなのだということを感じてきました。
また10年経つなかで、ローカルベンチャーを取り巻く環境の変化もひしひしと感じています。ラボをスタートした当初は地域で事業をつくることはまだ稀有な選択肢であり、事業も地域の資源を使っていかに「稼ぐか」「良いビジネスのモデルを生み出すか」という観点が中心だったように思います。
そこから10年、地域で事業をつくるという選択肢の裾野は確実に広がったと感じる一方で、地域の衰退や足もとがゆらぐスピードは加速しています。そのなかでは、ローカルベンチャーの担う範囲も事業の多様性も広がり、事業性の追求だけではない、「本当の豊かさとは何か?」「持続性とは何か?」ということにそれぞれが向き合っています。
「自分の事業だけが成功しても、地域自体が存続しなければ意味がない」
「地域コミュニティの一員として、必要な役割を引き受けていく」
「既存の評価軸では評価されないけど、大事にすべきことを大事にする」
1つの尺度や評価軸だけで測るのではなく、多様な価値観を持ちながら、自らの手で地域や暮らしを変えようと挑み続ける。正解のない時代に問いを立て続け、しなやかに変化しながら「地域の持続性を高める」事業へと進化していく。
簡単ではない挑戦ですが、ラボ生の皆さんは時に真剣に、時に軽やかに、ワクワクする未来を描いていて、これこそが地域の未来を切り開くエネルギーなのだと感じています。
次は転換の10年。「事務局の限界」を超えて、リソースを地域の現場に開放する未来を目指す
そのなかで、「ローカルベンチャーラボとして、もっとできることがあるのではないか」ということを私たちも考え続けてきました。
地域を取り巻く状況が厳しさを増していくなかで、一人ひとりが地域で事業づくりに奮闘している。全国で知恵を絞ったユニークな事業や取り組みが広がってきているし、選択肢は増えてきている。今こそ、知恵も、お金も、リソースも、より蓄え、そして循環させながら一緒に問いを追及できなかったら、私たちがラボとしての価値を発揮できているといえるのか──。事務局のキャパがラボのキャパになっているようでは、できることに限界が生まれてしまいます。
10年で蓄積してきたつながりやノウハウは確かにあります。 連携できる先も広がり、企業や外部の財団との次なる取り組みも見えてきました。
その蓄積を地域で奮闘する皆さんに、何より活かしてもらえる資産に変えていきたい。 今は事務局が形をつくりながら提供できるものに限られており、これではラボ生の皆さんの事業の広がり、周囲の環境の変化スピードに全然追いついていません。
私たちが次の10年で成し遂げたいのは、リソースをより集められる求心力を持つとともに、集めるリソースを開放し、循環させること。
その土台として、皆さんとつながり直し、関係性をつなぎなおすこと。 それぞれが見ている景色を丁寧に聞きながら、私たち自身も何が必要かを問い続け、進化していくこと。
今回のクラウドファンディングは、その転換の第一步です。 10周年という節目を、単なる振り返りで終わらせない転機に変えたいと思います。皆さんの描く未来の実現に、より寄与できるよう成長をしたい。そのために、皆さんからも力を貸してもらえたらと思います。
ローカルベンチャーラボ 伊藤 いずみ